遺伝の不思議

                                                                   古明地秀行

 数年前のこと、実生の栗が発芽した。それを育ててやっと実がついた。右側の6個がそれです。上段と下段共に出所が同じ種から
 できたもの。上と下では大きさがまるで違う。それらの味も違う。右側の栗は購入した栗の苗からできた実。上の栗はもう古くその
名前は忘却の彼方へ、下の2個は最近購入した苗で銀寄。まだ完全には熟していない。ひと時の興奮を楽しむことができた。
 ニュウジーランド産のかぼちゃが美味しかったので、その種を播いた。できたかぼちゃはまさに多彩。上の4このうち、左端が
親に最も近い。左から2こ目は、形は親に似ているが色が違う。薄緑色で縞模様がほとんどない。左から3こ目は形がご覧の通り
違う。色は日焼けしているが、2こ目に近い。右端のものは色は親に近いが形が違う。食べみるのが楽しみである。いずれも棚作
りである。
 これはインターネットで購入した種子を播いてできたトマトである。ほとんどが左の2このようなトマトとなった。また一部は病気もち
だった。そして驚いたことには、できるはずのない右側の3このような実をつける株ができたのである。遺伝子の不思議そのものの
光景を目の当たりにしたのである。両方とも酸味やトマト特有のくせも少なく、生食には適していた。
接ぎ木した富有柿
    富有柿の接ぎ木の結果です。 Pが親木でA〜FまでがPからとった枝の接ぎ木です。Pと同様種子のない富有柿を予定していたので
すが、AFには種子ができています。同じ親木からの枝でも遺伝形質が必ずしも同じではないことを表しています。また、Aは他と生育
環境を異にしています。遺伝内容が同じであっても生育環境によっても形質は異なってくるようです。新しい発見でした。
 富有柿には通常種子があります。種子のない富有柿は食べやすく消費者には歓迎されるだろうと思っています。